Q1  住宅を購入したが、強風の時、また階段を使うと家が揺れる。
Q2  住宅を購入したが、壁に亀裂が発生。
Q3  住宅を購入したが、床鳴りがする。
Q4  マンションを購入したが、隣戸(上下)からの音に悩まされている。
Q5  マンションを購入したが、結露に悩まされる。
Q6  マンションを購入したが、シックハウスが心配。
Q7  検査済証は必要か
Q8  建売住宅を購入するときの注意点は
Q9  マンション購入の注意点は
Q10  住宅・マンションの品質保証制度とは?
Q11  欠陥住宅相談はどこでうけられるか?
Q12  チラシ広告・訪問販売に依頼したが解約したい。
Q13  工事中のチェックは?
Q14  設計・施工の分離はなぜ必要?
Q15  住宅・マンション購入のとき、建築家の助言を聞きたいのだが?
        



Q1  住宅を購入したが、強風の時、また階段を使うと家が揺れる。
どちらかというと、三階建て建売住宅でよくある質問である。まず、確認申請をとれていないか、または取れていても検査済証がとれていない建売住宅のケースが多い。三階建て住宅は、「敷地が狭いので上に伸ばし三階にする」ため、搭状の建物になりやすい。建築基準法では、1・2階まわりの壁が東西南北方向にバランス良くとれていることが、構造上求められていて、確認のときチェックされる。確認をとっても、売りやすくするために変更し(間取りを変更したときは、改めて確認を取り直す必要がある。そのまま完成しても、検査済証をうけられないことになる。)一階に駐車スペースを確保するケースがある。そのため、一階まわりの壁量が不足し、壁の取り方がバランスを欠いているため、建物が揺れやすくなってしまう。関西でTVにとりあげられていたのを、見たことがある。


Q2  住宅を購入したが、壁に亀裂が発生。
建物の亀裂といっても、いろいろある。特に注意すべき亀裂について取り上げたい。
* 外壁に出来た場合   建築物の場合、雨水が壁内に浸入することが怖い。亀裂幅が0.2ミリ以上あれば、雨水が浸入すると考えられる。小さな亀裂でも、ときどきチェックして進行しているかどうかをみたい。
* 内壁に出来た場合  クロスで、新築後すぐのケースで、亀裂が縦に等間隔で入っている場合、下地処理の不適が考えられる。
       


Q3  住宅を購入したが、床鳴りがする。
この相談も多い。主体構造部にかかわるような「構造的欠陥」でないケースが多い。床の下地は木で組み立てられている。木と木を固定している金物・釘がゆるんで、床上を歩くことで床が上下して、ゆるんだ箇所が摩擦する。摩擦で音がするということになる。昔の“うぐいす張り”と同じ原理。ゆるんだ空隙に樹脂材を注入して止めるのが一般的な改良方法。


Q4  マンションを購入したが、隣戸(上下)からの音に悩まされている。
音の感じ方には、個人差がある。マンションであれば、他の住戸の状況を確認してもらい、同じように音の問題が生じているか確認したい。音の伝わり方はさまざまである。コンクリートの場合などとんでもない箇所からの音を、隣りの住戸からと誤認したりする。遮音方法は、音の特質によってまるで異なる。専門家に相談することをすすめる。


Q5  マンションを購入したが、結露に悩まされる。
住まいが高度化して、多発している。夏よりも冬に、カビ・ダニの問題が増えている傾向がある。気密化した室内は、湿度が相対的に高くなりやすい。寒いので窓やその他の開口部を閉めるから、換気が少なくなる。「排気扇をまわしても、吸気がなければ換気にならない」ことが、一般の人は理解できていないように私には思える。昨今のマンションはこの点で、最悪の状況といえる。マンションの性能を、一般の意識のレベルに対応するか(高度な全熱交換機の採用、箇所のよって換気方法を分離、などかなり高価な設備になる)または徹底した認知方法をとるかする必要がある。


Q6  マンションを購入したいが、シックハウスが心配。
内装材は、使用条件に応じて化学物質の放射量が決まってくる。建材のホルムアルデヒド放射量に関する規格(JAS、JIS)のグレードによる。ちなみにJASではFco、JISではEoがホルムアルデヒドの放射量が最も少ない。旧JAS規格では、ホルムアルデヒト放射量によってF1からF3までの三つに区分されており、F1がもっとも少なくF2がこれに継ぐレベルの合板である。なお、塗料や接着剤にも様々な揮発性有機化合物が含まれているので、材料の選定の際、建材業者に製品データを問い合わせされることをすすめる。しかしながら個人差があるので、心配ならできるだけ自然・天然の素材を使用したい。


Q7  検査済証は必要か
最低限必要。わが国の法律はこの点、ザル法といえる。わが国の民法では、検査済証がなくても登記ができる。そのため、多くの国民がこれまでどんなにか欠陥住宅をつかまされただろうか考えてほしい。現況はまだ改善されていない。公庫融資では義務づけられるなど、改善の方向にはある。しかし、検査済証があるからOKとはならない。最低限必要であっても十分条件ではない。建売住宅購入の際、「検査済証がない物件は頭から除外ときめつける程度」と考えてほしい。


Q8  建売住宅を購入するときの注意点は
見て気に入っただけでは駄目。「確認申請」「検査済証」は、最低限あることが必要。しかしそれだけでは不十分。そもそも「建築とは、目に見えない部分(基礎、柱梁、金物、小屋組み、設備配管など)が一番大事」。出来上がってしまえば、専門家でさえ残念ながら、見ただけではわからない。そもそも建売住宅では、工事中のチェックがないので欠陥が生じやすい。民事の“検査済証なし登記”と“完成した物件(見ただけではわからない)”を悪用したやからが、まだまだ多い。「検査済証」は完成後に役所がみる。それゆえ、建物のなかみのチェックはできない。わが国の制度で、建売住宅で工事中のチェックが組み込まれているのは、指定住宅性能評価機関(国で指定)による「住宅性能評価書」をうけた物件のみ。この制度では、工事中に第三者によるチェック(基礎配筋、屋根工事完了時の2回)が行われている。建売といえども高価な買物。せめて、「住宅性能評価書」をうけた物件の中から購入したい。


Q9  マンション購入の注意点は
箇条書にすると
イ. 住戸数がある程度あるもの
(理由) 築後10年以上たつと大規模改修が必要になる。その原資は、居住者から毎月徴収する長期修繕積立金による。住戸数が少ないと、原資が追いつかず必要な資金に不足し、改修ができなくなる恐れが生じる。こうしたマンションが都内に多数存在します。
ロ. 「住宅性能評価書」のある物件
(理由) 第三者による一定の評価基準が確保されている。ただし、これでも絶対ということにはならないが・・・・。
ハ. 洋室が6帖以上あること。その上、少なくとも一つの寝室として8帖は確保されていること。
(理由) 6帖以下の部屋は、居室として必要十分とはいえない。現在の日本の水準ではいまだ許容範囲として流通しているが、将来通用しなくなる可能性が大と思われる。
ニ. その他として
駅から徒歩圏にあること
売主の信頼性
施工会社の信頼性
メンテナンスし易い設備配管がされていること
マンション購入の前に、建築専門科に相談したい。できれば、モデルルーム見学や内覧会に、同行してもらうようにしたいものです。


Q10  住宅・マンションの品質保証制度とは?
平成12年4月から「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されました。
対象: 新築住宅・新築マンション
内容:
*1 基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、漏水)について10年間の瑕疵担保責任が義務づけられた。
*2  住宅性能表示制度の新設。有料ですが、第三者機関(指定住宅性能評価機関)構造耐力・遮音性・空気環境などについて共通のルールのもとで性能を審査してもらい、その保証をしてもらえる制度ができました。但し、デザインに関する事項はありません。
詳しくは、国土交通省住宅局住宅生産課
電話 03-5253-8510
URL http://www.sumai-info.jp


Q11  欠陥住宅相談はどこでうけられるか?
各国民生活センター      (東京の場合)03-3443-6211
各消費者センター       (東京の場合)03-3235-1155
日本建築家協会関東甲信越支部 建築相談室 無料 予約制 
                     問合せ先 03-3408-8294
法律相談(法律扶助協会東京都支部)    問合せ先 03-3580-2851


Q12  チラシ広告・訪問販売に依頼したが解約したい。
リフォーム 関連に多い。昼間、家庭にいる主婦・年寄りの商取引に不慣れに乗じた商法を展開している悪徳業者は、多い。訪問販売による強引な営業方法に巻き込まれて、「つい契約してしまった」というケース。家人が出来るだけ早く気づくことが肝心。この手の業者の共通項は、クレジット会社と提携していて、「クレジット契約」を結ばせることで、代金の取立てを担保することにある。よって、クーリングオフの条項を活用して契約解除に持ち込むことが、一番望ましい。クーリングオフ期間を過ぎても、「消費者契約法」(2001年4月施行)で申し込みの取り消しができる場合もある。


Q13  工事中のチェックは?
戸建住宅・マンションとも、工事中の第三者(当の工事会社以外による)のチェックはとても大切なことです。建物の品質は、基礎・柱・梁などの構造部分、配管など完成したら目に見えない部分にあるからです。それにしても日本の住宅に、なぜこんなにも欠陥住宅が多いのでしょうか。工事中のチェックがおろそかにされているからです。日本の住宅の寿命が、他の先進国に比べて極端に短いのも、原因はここにあるといっていいでしょう。そろそろ、制度として法制度化すべきときにきているようです。


Q14  設計・施工の分離はなぜ必要?
欠陥住宅を防止する手立ては、設計・施工を分離することです。このことは、なにも住宅・マンションだけでなく全ての建築に当てはまります。そのためには、設計を設計事務所に依頼することです。設計事務所(一級建築士事務所のこと。但し、建築会社内の一級建築士事務所や下請け専業の一級建築士事務所は除く)の設計には通常“設計と監理”がセットになっています。ここでいう監理が、“工事中のチェック業務”にあたります。煩雑にチェックがおこなわれます。私達の事務所も、この一級建築士事務所にあたります。


Q15   住宅・マンション購入のとき、建築家の助言を聞きたいのだが?

目視による現地調査制度のご案内

戸建住宅・マンションなどの購入に際し専門科に相談したいという方々のための制度を設けました。ぜひご利用下さい。
ただし、通常の事務所業務ですと国土交通省告示第1206号による金額となります。

  1. 現地相談の方法・準備していただきたいこと
    • 現状のままで目視できる範囲内とします。
    • 設計図、仕様書、構造計算書、確認通知書、現場写真等、できるだけ多くの資料を事前にご用意下さい。
  2. 相談結果の報告
    • 相談結果は口頭で行うことを原則とします。書面での報告を必要とされる場合は、当現地相談とは別に費用がかかります。
  3. 現地相談の報酬
    • 報酬は、人件費と実費です。
    • 人件費は一人1時間当り1万円です。時間は、事務所から現地までの往復所要時間を加算いたします。
      相談は二人以上で行う場合もありますが、その理由を説明し、事前にご了解を受けます。
    • 実費とは、現地までの交通費、写真撮影に要する費用(焼付代を含む)、専門調査の必要な場合の費用、特別な測定機器の使用代等です。概要は事前にお知らせいたします。
  4. 上記相談内容を超える場合は、通常の事務所業務で対応させていただきます。






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